ジャレド・ダイアモンドに言わせれば、農業は「人類史上最大の過ち」だった。農耕牧畜民は狩猟採集民よりも多くの食物を手に入れられて、それゆえに多くの子供を得られるが、その代わり、総じて狩猟採集民よりも必死に働かなくてはならないし、食事の質は低く、洪水や 旱魃 などの天災に見舞われてせっかくの作物が台無しになることもあるため、飢餓に直面する機会も多くなる。また、人口密度の高い集団で暮らしているため、感染症が 流行りやすく、社会的ストレスも発生する。農業は、文明やその他の「進歩」につながったかもしれないが、かつてない大規模な苦難や死にもつながった。

ダニエル E リーバーマン   人体六〇〇万年史 下──科学が明かす進化・健康・疾病

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