わたしたち人間が言語を中心とする複雑な文化を生み出した背景には、発情期の喪失、そして長期の未熟性という犠牲がともなっていて、その補完には社会化しかなかったということになる。おもに言語による社会化の過程で、わたしたち人間は性的想像および行為を制御する必要に迫られ、精神の発達に応じた禁忌のスケジュールを作製して宗教や道徳などを利用し、個体に性的想像や行為の倒錯を禁じるという装置を考案したが、社会の成熟が飽和に達したときに、そのシステムそのものに制度疲労が生まれることを知らなかった。
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